こんにちは!株式会社三河屋 田中です。今回は「バビロン大富豪の教え」という本を紹介します。 資本主義社会ではお金大事!
〜目次〜
- なぜ貧乏人と金持ちがいるのか?
- 「黄金に愛される七つ道具」
- 価値があるのは、金貨が入った袋?知恵が詰まった袋?
- 賢者の助言によって貯金が懸命に働きだす
なぜ貧乏人と金持ちがいるのか?
いくら働いても奴隷のような暮らしが続く・・・
古代都市バビロンに住む二輪馬車職人バンジールと竪琴の名手コビは、いくら働いても裕福になれない身を嘆き合っていた。
バンジールは、誰にも負けない二輪馬車を作るために働き続けてきた。いつかはお金持ちになれるはずと考えていたものの、
一向にその時はやってこない。コビが竪琴で稼いだお金は羽が生えたように消えてゆく。どんなに働いても、奴隷のような暮らしだ。
「一体お金持ちはどうやってお金を得ているのか? そのすべを知る方法はないか」と思案したふたりは、バビロンで一番の金持ちになった共通の友人アルカドのもとへ、金持ちになるための方法を教わりにいく。
収入の十分の一を貯金せよ
アルカドを訪れたバンジールとコビは、「同じ師のもとで学び、同じ遊びに興じた。学問でも秀でていたわけでもないし、とりたててりっぱな市民だったわけでもない。働きぶりを見ても勤勉でも献身的だったようにも思えない。どうやってバビロン一の大金持ちになったのか?」とアルカドに質問を投げかけた。
アルカドは若かりし頃、金貸しのアルガミシュに出会い、お金持ちになる方法を学んだと打ち明けた。アルガミシュが最初にアルカドに教えたのが「稼ぎの十分の一以上を貯蓄すること」だった。
アルカドは、「必要ならほかの出費を抑えてでも蓄えなさい」と強調する。自分のものと言えるだけの財産ができると豊かな気持ちになり、励みも増す。もっと稼ごうという意欲が湧いてくる。
その後は財産を失うことのないように、細心の注意を払って投資する。財産が産んだ「子どもたち」を、自分のために働かせる。そうすることでアルカドはお金持ちになれたのだ。
バビロンの王はバビロンをより栄えさせるため、お金持ちを増やそうと思い至る。そこでバビロン一のお金持ちであるアルカドを召集し、富を手にする秘訣を人々に伝えるよう命令する。
「黄金に愛される七つ道具」
稼ぎの十分の一を貯め、その貯めたお金を働かせよ
アルカドは生徒100名を集め、お金持ちになるための七つの道具を教えた。
1.「収入の十分の一を貯金せよ」
十枚のうち使うのは九枚までとする。すると財布が太り始める。しかも稼ぎの十分の一を貯蓄したとしても、暮らし向きは少しも悪くはならない。それどころか以前よりお金が流れ込んでくるようになる。
2.「欲望に優先順位をつけよ」
必要な出費を消費欲と混同してはならない。人はみな自分で満たせる以上の欲望を持っているものだ。お金をどれだけ稼ごうとも、消費欲を満たすために使われかねない。慣れ親しんだ生活習慣を徹底的に見直す必要がある。今まで当然と見なされてきた出費の中にも、削れるものがあるだろう。そして必要な出費の予算を組む。予算が気まぐれな欲望を抑えてくれる。常に予算内で暮らすことで、痩せた財布を太らせることができる。
3.「貯えた金に働かせよ」
貯めたお金がさらなるお金を稼ぐからこそ、富が築かれる。アルカドが最初に投資で稼いだのは、アッガーという盾職人への融資だった。アッガーは年に一度、海の向こうから運ばれてくる青銅を仕入れていたが、その仕入れのための代金を借りる必要があった。盾が売れるとアッガーは利息をつけて、アルカドに返済してくれた。このように貯めたお金を働かせることで、絶え間なく定期収入が入ってくる流れを生み出すのである。
4.「危険や天敵から金を堅守せよ」
財布の中のお金はしっかり守らないと奪われかねない。自分の知恵を過信し、落とし穴のありそうな投資話に乗ってはならない。財を失わないためには元本が保証され、望んだ時に換金でき、適正な利息を間違いなく回収できる条件でのみ投資する。資産運用に実績ある者の助言をもらうことが重要だ。
5.「住まいをわがものとせよ」
持ち家があると生活費が大幅に減り、稼ぎの中で自由に使える額も増える。道楽をしたり欲望を満たしたりすることも可能になる。
6.「今日から未来の生活に備えよ」
年老いた日のために相応の収入源を用意しておこう。少額のお金を預けて定期的に積み立てていくだけでも、最終的には大きな実りが得られる。
7.「自分こそを最大の資本にせよ」
「なんとなく金持ちになりたい」と願う人は目的意識を欠いている。一方で「金貨を五枚得たい」と願う人は、その明確な願望を達成すべく努力する。小さいながらも明確な願望をかなえる術を学べば、より大きな願望をかなえる力も身につく。そのためにもまずは職能を磨く事が重要だ。自らの能力を開発し、勉励して知恵を積み、仕事の腕に磨きをかけよう。自分への信頼が育まれると同時に、お金持ちに近づいていく。
価値があるのは、金貨が入った袋?知恵が詰まった袋?
知恵がなければ、お金はいとも簡単に失われる
アルカドは資産を相続するに際し、息子のノマジールに資産を相続するに足る能力があるかどうか、試すことにした。金貨の入った袋と五つの黄金法則が書かれた粘土板を与えて、ノマジールに自活させたのだ。十年自活させて「その資格がある」と思えれば、資産をノマジールに与えることにした。そして十年後、家に戻ってきたノマジールは、自分の身に起きた経験をアルカドらに話した。
まずノマジールは好機を求めてニネヴェに向かい、隊商に加わった際にふたりの男と知り合った。ふたりは疾風のごとく速く走る白馬を有しており、さらに速く走れる馬を飼っているニネヴェの裕福な男を知っていると言った。その男はバビロニアのどんな馬との勝負にも応じ、大金を自分の馬に賭けるという。
ふたりは「特別にその賭けに参加させてやる」とノマジールを誘ってきた。ノマジールは、つい儲け話に心を奪われ、大金を賭けることにした。しかしふたりの馬はさんざんな負け方をしてしまい、ノマジールは多くの金貨を失うこととなった。後でわかったことだが、じつはそのふたりと馬主は互いに示し合わせた詐欺師だったのだ。
またノマジールは、隊商にいた別の青年と仲良くなった。青年は亡くなった商人の店舗を買い取って共同経営する話を持ち掛けてきた。ノマジールはこの話に乗るのだが、青年があと先考えずお金を浪費したことで、お店は傾いてしまう。最終的にノマジールは金貨を失うだけでなく、店と在庫を二束三文で売り払わなければならなくなった。
窮地に陥ったノマジールは、アルカドからもらった五つの黄金法則が書かれた粘土板のことを思い出した。
「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則
・黄金法則 その1
家族と自分の将来のために収入の十分の一以上を蓄える者の元には、黄金は自らを膨らませながら、喜んでやってくるだろう
・黄金法則 その2
金に稼げる勤め先をみつけてやり、持ち主が群れを膨大に増やす羊飼いのように賢明ならば黄金は懸命に働くことだろう
・黄金法則 その3
黄金の扱いに秀でた者の助言に熱心に耳を傾ける持ち主からは、黄金が離れることはないだろう
・黄金法則 その4
自分が理解していない商い、あるいは、黄金の防衛に秀でた者が否定する商いに投資してしまう持ち主からは、黄金は離れていくだろう
・黄金法則 その5
非現実的な利益を出そうとしたり謀略家の甘い誘惑の言葉にのったり己の未熟な経験を盲信したりする者からは黄金は逃げることになるだろう
ノマジールは五つの黄金法則を噛み締めるように読み、ひとつひとつ胸に刻んだ。そしてニネヴェの周壁の新築工事で人夫の奴隷を管理する仕事につき、五つの黄金法則の第一法則に従い、給料から銅貨一枚を貯金していった。十年以内にアルカドからもらった金貨と同じ額を貯める、と心に決めながら。
堅実な投資で利を得ることを学ぶ
ノマジールはある日、知り合った奴隷商人から共同出資を持ち掛けられた。その内容はこうだ。周壁の工事が一年以内に完了する。すると王は敵から街を守るべく、青銅の巨大な城門を設置するように命じる可能性が高い。しかし城門を造るための銅や錫は不足しており、王も調達する手だてを考えていない。そこで先に資材を供給できるように銅や錫などの資材を調達しておけば、王が「巨大な城門を鋳造せよ」と命じたとき、高値で買い取ってもらえる。
ノマジールはこの提案を、第三の法則である「知恵ある人の助言に従った投資を実践する」好機として捉えた。結果として共同出資は成功し、ノマジールの蓄えは大きく増えた。堅実な投資で利を得るやり方を学ぶことで、ノマジールは資産を大きく増やすことに成功したのだ。
賢者の助言によって貯金が懸命に働きだす
小さな用心が大きな後悔を防ぐ
バビロンの槍職人ロダンは、近衛兵用の新しい槍先の図案を献上したところ、バビロンの国王から大層気に入られ、金貨五十枚をもらった。
しかしロダンはその金貨五十枚の使い道を決めかねていた。ロダンが金貨を得た噂を聞きつけた知人からは、一時間ごとに泣きつかれた。特に困ったのは、妹から「夫のアラマンに出資してほしい」と頼まれたことだ。妹は「アラマンに資金さえあれば成功して大金持ちになり、その儲けでお金を返済できる」と言い張っている。
ロダンは金貨をアラマンに貸すべきかどうか相談するため、友人である金貸しのマトンを訪れた。相談を受けたマトンは、自分なら「まずはアラマンに対して商いのやり方について、どんな知識を持っているか、どこに行けばいちばん安値で仕入れができ、どこに行けば適正な価格で売れるか知っているか」を尋ねるだろうと言った。
アラマンがこうした問いに答えられないようなら、金貨を貸すことはない。逆にアラマンが安値で仕入れる方法を知っており、商品を売る相手がいると答え、さらに抵当になるものを用意できるのなら、金貨を貸してもいいというのがマトンの意見だった。
マトンはロダンに対して、「財布から一枚の金貨を取り出す前に、それが安全に帰ってくる道筋があることを確かめるようにしなさい」と助言する。結局、ロダンはアラマンに金貨を貸さず自分で持ち続け、将来の投資のために取っておくことを決める。
マトンは礼を言って立ち去ろうとしたロダンに、ひとつの教訓を読ませる。「小さな用心が、大きな後悔を防ぐ」
まとめ
いかがだったでしょうか?お金の話って考えるとなんだか難しそうに感じるかもしれませんが、本書はストーリーになっていてとても分かりやすく資産形成の知識を得れる一冊になっています。私も少額ながら資産運用をしていますが、資産運用するきっかけになったのが本書なので皆さんにも是非一読していただきたいです!